裁判員制度で裁判員になった話【選任手続編】

体験談

ゆゆの裁判員になった体験記その2。
前回は候補選出までのお話でしたが今回はその続きとなる選任手続き編です。

前回の候補選出編はこちら

裁判員制度で裁判員になった話【候補選出編】 – 悠々自適にゆくゆくライフ (yuqyuq.com)

選任手続き前日まで

裁判員は候補になったら決められた日に地方裁判所に赴く必要があります。
私は事前の質問票で辞退していなかったため、特に当日まで裁判所からの連絡はありませんでした。
これ、質問票で辞退する旨を明記して返信すると、その後に裁判長の判断で辞退許可の連絡があるようです。
で、質問票を提出しても辞退しない人は特に連絡なし、つまり地方裁判所に行く必要があります。

質問票を送付して、そのあと特に裁判所からの連絡が無い方は忘れずに選任手続き当日は裁判所に行きましょう。
持っていくものは「裁判員等選任手続期日のお知らせ」です。
これは、裁判員候補選出通知の封書に入っている紙で私の時は緑色の紙でした。
これを持っていかないと裁判所に入るのが難しい&出頭証明の押印を頂くことが出来ません。

また、この時点で働いている方は会社の上司に裁判員のため休暇になる可能性があることを伝えておいた方が良いです。
万が一、正式に選任されてしまうと猶予が1週間しかないため、必要な引継ぎなど間に合わないためです。
多くの会社には裁判員特別休暇あると思います。遠慮なく申請して使いましょう(笑)

私の場合は事前に裁判員に選ばれた場合、8回ほどお休みすることを上司、同僚に伝えていました。
実は、本心では「どうせ選ばれないだろうし、(無給になるので)選ばれたくない」という気持ちがかなり強かったです。
前日になっても、まだ自分は選ばれるはず無い、と思っていたのでした(笑)

選任手続当日、いざ裁判所へ!

選任手続当日、私は嫌々ながらも千葉地方裁判所へ行きます。
行かないと罰せられる、みたいなことが書いてあったのでとりあえず……どこまでも後ろ向きな筆者です。

地方裁判所に到着すると、まず手荷物検査を行うことになります。
金属を持っていると警備員に止められます。
くれぐれも、小さいナイフの類、刃物を持ち歩かないようにしましょう。捕まります。
荷物をベルトコンベアに乗せて検査、自身も金属探知機を通って検査。

私はなぜかブザーが鳴り止められました(笑)
まあ、警備員さんの確認より特にお咎めなく通過を許されたのですが、なぜ音がなったのかはよくわかりません(笑)
警備員さんに捕まった私は再度金属探知機を通って再検査。
今度はなぜか通るという……謎だ。

何とか地方裁判所内部に入ったら、今度は選任手続きの会場を目指します。
エレベータで上り、会場に入る前の受付で「裁判員等選任手続期日のお知らせ」の紙を渡します。
ここで受付に渡すことにより、帰りに出頭証明の押印を頂くことが出来るのです。

選任手続開始!

受付が終われば、いよいよ選任手続会場です。
私は迷いながらなんとか会場にたどり着くことが出来ました。
裁判所の中は意外に広いので迷います…。

ここでは、受付で教えられた番号の席に座ることになります。
私の時は室内に机は無く、簡素な椅子だけがありました。

周囲を見渡したところ、40人程度が居ました。
老若男女様々な世代が居ましたが、どちらかというと私より上の世代が多かったイメージです。

時間丁度に説明が始まります。
流れとしては、
①裁判員等選任手続の説明
②担当裁判官、検察官、弁護士の紹介
③質問票、アンケート
④面談
⑤抽選

の5ステップです。

選任手続きの説明は簡易的なもので、数分で終わります。
裁判官、検察官、弁護士の紹介については、ゾロゾロと前に関係者が出てきて順番に挨拶をしていきます。
私は裁判官や検察官はテレビなどのメディアを通してしか見たこと無かったのですが、実際に見てみると、やはり雰囲気は違うなと思いました。
検察官の目の鋭さや弁護士の狸オヤジっぽさがまたなんとも……(笑)

質問票では、裁判員として担当する事件の概要が記載されています。
この事件の被告や被害者の身内や知り合いとして関わったことがある場合は裁判に参加できません。
他にも、一般的な立場で判断が出来るか、メンタルは大丈夫か、などの質問があります。

驚いたのは、この時点でもまだ辞退が可能、ということでした。
これ、選任手続き前の質問票でも辞退するかどうかの記載があったので、当日でも出来ることに驚きを隠せませんでした。
ただし、仕事が忙しいだけでは辞退は難しそうな印象を受けました。
うまい具合に、仕事をしなかった場合の損失を書いて裁判長を納得させれば大丈夫かもしれません。

私の場合は当然、辞退無し。(40人居るから選ばれるはずが無いと思っているわけです笑)
質問票も適当に書いて流します。
やがて、担当の方に紙を回収されます。

回収が終わると休憩時間に入りつつ、面談対象の方は裁判官との面談で呼ばれます。
面談対象になるのは、質問票に辞退の旨を記載した人です。
私の場合は面談対象ではないので休憩していました。
この時間の休憩は1時間弱あります。長いです

休憩時間はスマホを見たり、ゲームしたり、読書したり、眠っていたりする人が多かったです。
意外なことに外出する人は居なくてトイレに出るぐらいでした。
私の回たまたまなのかもしれませんが、皆さん、休憩中は会場から動かない状態でした。

そんな間も面談対象者は次々と呼ばれていきます。
大体一人数分でしょうか……すいすい進んでいるイメージです。

1時間ちょっと過ぎたころ、担当者がやってきてホワイトボードに文字を書いていきます。
そう、裁判員に選ばれたかどうかの結果発表です!

どうやら抽選はアナログなくじ引きではなく、”裏で厳正な抽選のうえコンピュータで決めた“、とのこと。
個人的には厳正な抽選ではなく、ある程度、出来レースというか質問票を鑑みて決めているんじゃないかなーと思いつつツッコんでおくのはやめておきます(笑)

そんなこんなでホワイトボードに裁判員に選ばれた人の番号が書かれていきます!
裁判員に選ばれるのは”6人”です。

私は「15番」だったの21番がホワイトボードに書かれた瞬間に「やった!落選した!これで帰れる!!」とか思ってました(笑)
いやー、本心からこういう面倒そうなことはやりたくなかったのです。
日当が出るとはいえ、普通に仕事して得た報酬のほうが高いというのもあります。

安心した私はゆっくりこっそり、帰宅の準備を始めます。
その時です、私の体に戦慄が走るのです。
そう、「15番」の文字がホワイトボードに書かれていたわけで・・・。

なぜ―――、私の頭に「?」がよぎります。
私は忘れていました。
裁判員には通常の裁判員の他に補充裁判員という制度があるのです。

補充裁判員は裁判員が裁判中に体調不良や万が一、参加できなくなったときの補欠のようなものです。
裁判には参加しますし、のちの評議にも参加します。
ただし、裁判中の質問や判決を決める投票には参加できないものです。

この補充裁判員に選ばれるのは”2人”です。
よりにもよって、一番確率の低い補充裁判員に選ばれてしまうとは運が良いのか悪いのか・・・。
どうせ選ばれるなら発言権のある裁判員のほうが良かったかもしれない。

担当者から裁判員と補充裁判に選ばれた人は別室に行くように促されます。
選ばれなかった人は、ここで帰れるようです。
補充裁判員に選ばれてしまった筆者はテンションガタ落ちで会場を後にするのでした……。

今回のお話はここまで。
次回は【補充裁判員宣誓編】です。お楽しみに。

続きはこちら↓

裁判員制度で裁判員になった話【裁判員宣誓編】 – 悠々自適にゆくゆくライフ (yuqyuq.com)

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