裁判員制度で裁判員になった話【裁判員裁判法廷編】

体験談

ゆゆの裁判員になった体験記その4。
前回は裁判員宣誓するまでのお話でしたが今回はその続きとなる裁判員裁判法廷1日目編です。
1日目の裁判員の思い出を書き連ねていきます。

前回の裁判員宣誓編はこちら
https://yuqyuq.com/yuqyuq/?p=1493

1.補充裁判員から正式な裁判員へ

さてさて、いよいよ裁判員として法廷に向かう日がやってきます。
裁判員としての執務はここからが本番です。
ここから約2週間、平日は朝から裁判所に通い夕方まで裁判員として執務を行う非日常を味わうことになります。

もっとも私は補充裁判員としてなので、気が楽なものですが、、、、

(。´・ω・)ん?

裁判所にやってきた私に渡された一枚の書類。
そこにはこの私が補充裁判員から正式な裁判員に昇格したことを示す書類でした。

「実は裁判員の辞退がありまして……」
どうやら裁判員2名が直前になって辞退したとのこと。

そんなのありかよ!!

とか心の中で思いながら私は補充裁判員から裁判員になることを了承します。

私のときには私を含めて2名の補充裁判員が居ましたが、裁判員2名が直前で辞退したため補充裁判員2名とも正式な裁判員になりました。
直前で裁判員が辞退した理由は「発熱したため」「仕事の都合でどうしても休めなかったため」とのことでした。
前者はともかく、後者は選任手続きのときにも散々確認されていたんですけどねー。
とんだ番狂わせです。

ゆゆとりさん、、、まだ裁判員になる心の準備が……(笑)

そんなことを思っていても裁判は待ってくれません。

さてさて、裁判員になった私は執務室に入ります。
そこには既に私以外の6人の裁判員が勢ぞろい。
少し待つと裁判官3名も執務室にやってきます。

事件ファイルなるものを開き、担当する事件の説明を受けます。
私が担当する事件の詳細は伏せますが傷害致死の事件でした。

簡単な事件の説明と法廷の説明を受け、裁判官に連れられ裁判員6名は法廷に向かいます。

誰も喋らないのでかなり当時は緊張があった瞬間でした。

2.裁判員として法廷へ

いよいよ、法廷へと向かいます。
私、ゆゆとりにとって人生初の法廷です。

法廷に実際に入る前に手前の準備室のような部屋で時間が来るまで待つことになります。
内線が鳴り、それを合図に全員でゾロゾロと法廷に突入。
そそくさと自分の決められた席に向かい挨拶をして座ります。

なんとも仰々しい雰囲気。

裁判官席には一番中央に裁判長。
その両隣に裁判官2名。
そしてその両側に3名ずつに分かれて裁判員が座り、その後ろの両端に補充裁判員が座る座席位置。
(もっとも、私の回では先述の通り2名の欠員が出たため、補充裁判員が繰り上がったため補充裁判員は不在だったので空席でした)

向かって左側には弁護人と被告人。
向かって右側には検察。
そして一番奥に傍聴席。
裁判員になると傍聴席が見る風景とは逆の風景を見ることができるのは役得なのかもしれません。絶景。

裁判長の一言で開廷します。

私が裁判員として担当するのは傷害致死事件。
実際に人が一人亡くなっている事件でした。

争点となるのは”何年の実刑が適切”か、です。

今回の場合、被告人は傷害致死により人を殺めたことを認めています。
人が亡くなっている以上、実刑は免れませんが反省をしているとのこと。
これを、どう見るか、懲役〇年にするか、それが今回の事件の争点です。

開廷するとまずは被告人の宣誓から始まり、被告人の主張が始まります。
この被告人の口から事件当日の様子が語られます。
「覚えている」「覚えていない」「やった」「やっていない」
至る所にこういったワードが響き渡ります。

どこまでが本当でどこからが嘘か。
裁判初心者の私にはそういったことはわかりませんが、とにかく被告人の話をメモをとりながら聞いていたのを覚えています。

被告人の主張が終わると次は検察側の冒頭陳述です。
検察側から証拠となる事柄が記載された資料が配布されます。
それを見ながらプレゼン形式で検察側の冒頭陳述が続きます。

事件当日の出来事。
被害者の性格、人柄。
被告人の性格、人柄。
そしてその周囲を囲む関係者。

犯行時にどのような足跡をたどったのか、犯行は可能なのか、防犯カメラの映像を元に説明が続きます。

これを聞いた私の感想としては、
「非常に論理的でわかりやすい説明だった」です。

検察側の主張は非常にわかりやすく、論理的なものでした。
明確でわかりやすい資料。
堂々とした喋り。
同時に隙の無いロジック。

この時の検察側の求刑は「9年」でした。

「いや、人を殺めてたった9年!もうずっと牢獄に入っていて欲しい」
法律素人の私としての正直な本音はこんなところです。
まあ、この後の裁判データベースを見るとこの求刑、実はなかなか妥当なところなのです。
でも、この辺りは法律と人の感情の差分なんでしょうね。

私としてはとても理解しやすく納得できる内容でした。
同時に被告人の主張との違いがあぶりだされます。
当時の私には「あぁ、これは被告人が嘘をついているな」と感じていました。
それだけ、検察側の証拠とともに繰り出される主張には説得力があったのです。

そして最後に控えるのは弁護側の冒頭陳述です。
ちなみに今回の弁護人は国選弁護人とのことです。

しかしながら、今回の弁護人はいまいち被告人に有利な証拠を揃えられていない印象でした。
凶器は何になるのか、被告人は凶器を使っていないので極刑は免れるべきとか、どちらかというと感情論に近い。
巧妙な話術で誘ってくるもののいまいち刺さらない。

「異議あり!」と検察側の主張に反論するものの、どことなく納得感が無い。

カプコンから発売された『逆転裁判』とは程遠い展開です。

弁護人の求刑は「4年」でした。

これを聞いた時の私の感想としては、
「いや、人を殺めておいて4年はないだろ」と。
このときの弁護人の弁護内容についてもいまいちピンとこなかったのを私は覚えています。

そんなこんなで弁護人の冒頭陳述も終わり、午前の部が終わります。
1日目の法廷は午前中から濃厚です。
1日目だけあり傍聴席にもそれなりの人が居て緊張感が半端ない……他の裁判員の方々も疲れた表情をしていました。

3.えっ、そんなのってあり!?

1日目の裁判員の予定は午前中に被告人の宣誓、検察の冒頭陳述、弁護人の冒頭陳述を行い、午後に被告人側の証人尋問が予定されていました。
しかし、執務室に戻ってきた私たちに裁判長が一言。

「午後の予定ですが、被告人側の証人が来られなくなりました」

マ、、、マジか!?
と裁判員全員の頭に「?」マーク状態です。

どうやら被告人側の証人は体調不良により裁判所に来ることが出来なくなったとのこと。
予定を変更して被告人側の証人は体調の状態を鑑みて3日目に来ることになりました。
そのため、午後の証人尋問がなくなり急遽、裁判員は帰宅してよいことに……。
1日裁判所に缶詰かと思い、仕事も休んでいるのになんてこった(笑)

私は昼食用に裁判所で注文できるお弁当を注文していたのですが持ち帰ることに。
ちなみに、このお弁当、550円なのでまあまあの値段です。
仕方ないので歩いて30分ぐらいの公園まで散歩しつつ、池の見えるベンチに座ってお弁当を頂きました。
ピクニックだと思えば風景も良かったし、お弁当も美味しかったです。

裁判員の1日目、補充裁判員のはずが裁判員になるわ、証人は来ないわで番狂わせの一日でした。
最後に裁判所で注文できるお弁当の画像を掲載して終わります。

裁判員のお弁当

次回は裁判員2日目の思い出を書いていきます。
【裁判員裁判法廷2日目編】に続く。

つづく

続きは以下↓

裁判員制度で裁判員になった話【裁判員裁判法廷その2編】 – 悠々自適にゆくゆくライフ (yuqyuq.com)

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