ゆゆの裁判員になった体験記その6。
前回は裁判員宣誓するまでのお話でしたが今回はその続きとなる裁判員裁判法廷その3編です。
裁判員に選ばれてしまった筆者の思い出を体験談を交えて書き連ねていきます。
前回の裁判員裁判法廷その2編はこちら
裁判員制度で裁判員になった話【裁判員裁判法廷その2編】 – 悠々自適にゆくゆくライフ (yuqyuq.com)
1.裁判員3日目ともなると慣れてくる
さてさて裁判員に任命されて3日目の執務です。
本日は1日目で来ることが出来なかったが被告人側の証人と被告人質問、答弁の日です。
さすがに私もこの生活に慣れてきました。
相変わらず他の5名の裁判員の方々は出社(で言いのか?)が早いです。
時間の30分前に全員が着席している状態です。
私も30分前ぐらいに来ているのですが……一体何時に到着しているのだろう。
裁判員に選出された方々も20代~60代まで様々です。
私の時には学生や老後生活、という方は居なくて全員働いている社会人の方々だったかと思います。
立場としては様々なので、こういったことが無いと出会うことはない人たちだろうな、と感じます。
本業となる仕事も忙しいらしく、執務の合間の休憩時間にパソコンを立ち上げて申請の承認作業をやっている方も居ました。
おそらく無給の特別休暇を取得しているかと思いますが、そういった休みの時でも業務を止めないように行動する真面目な方です。
もちろん、他の方も執務を真面目に取り組む真面目な方々の集まりです。
ホント、前回も書きましたが裁判員は真面目な人じゃないと務まらないのです。私も含めて(笑)
大体、朝はそうやって他の裁判員の方々の人間観察をしているうちに始業時間になり、裁判長と裁判官が執務室に入室してきます。
裁判長が1日の予定を発表します。
もう聞きなれたものです。
「今日は被告人の証人の話があって、被告人質問があるんですよね、わかります」
とか思っていると裁判長が一言。
「本日予定していた被告人側の証人尋問はありません」
…。
……。
………。
―――なんだって!!!
私だけでなく、他の裁判員も内心そう思ったに違いありません。
どうやら、結局のところ被告人側の証人の体調が悪いままで裁判所に来ることが難しいとのこと。
これで、被告人の証人尋問は誰一人いないまま裁判を迎えることになります。
被告人は誰にも庇われないまま進んでいく裁判……。
そんな裁判ってあるんですか!?
って感じですよね。あるんです。
まあ、被告人は加害者ですし、弁護人の弁護も難しい状態なので証人が来たところで事態が好転するとは思えませんが、平等性という意味では被告人にとっては不運なことです。
今回の裁判員裁判は信じられないことばかりです。
心の中でため息しかでないゆゆでした。
2.弁護士、検察、それぞれの被告人尋問
そんなこんなで始まりました3日目。
前述した通り被告人証人の証言がなくなったので被告人尋問だけとなります。
被告人質問は、最初に弁護士が被告人に質問する形で進みます。
犯行当日、どこにいて、どんな動きをして、どのような気持ちだったのか?
立場としてはあくまで弁護なので被告人に有利に導くような形で質問していたのが印象的でした。
ある程度誘導的、とでも言うのしょうか。
その誘導的なフラグを解釈せず折ってくる被告人の回答に心の中で笑えてしまう自分が居ました。
弁護士の質問が終わったら、次は検察側の質問です。
弁護人の質問を主質問というのに対して検察の質問を反対質問と言うようです。
検察の質問は先ほどの弁護士の質問とは逆になかなか核心をついてきます。
証拠を中心に論理的に詰めてきます。
被告人の「これについてはやっていない」ももはや記憶に無い、程度のもの。
現場証拠的にやっている、という裏付けまでとっていました。
まあ、現実は”逆転裁判”的な出来事は起こらないものですね……。
あ、でも弁護士からの「異議あり!!」は聞くことが出来ました。
検察に瞬殺で反論されたあげく、裁判長に止められていましたが……。
反対質問も終わると裁判長、裁判官、裁判員は一旦退席して執務室に戻ります。
そこで補充質問と今回の事件の証拠整理を行います。
今回の事件ではここまでで全ての証拠が揃ったことになります。
いくつか証拠と被告人の当日の状況について裁判員から質問があがった気がします。
私も証拠について、凶器の動きが不明だったので質問事項として挙げました。
(もっとも、私を含めてシャイな裁判員ばかりなので法廷で質問したのは裁判官でした)
それらのあがった質問を行い回答をもって3日目は終了です。
ここまで毎日のように法廷で話を聞いてばかりで疲れてきました。
裁判官の方々はこういった裁判を毎日のようにこなしていると思うと尊敬に値します。
4日目は午前中に被告人の最終陳述をもって全ての証言が終了。
以後は評議を行い判決になります。
ある意味、裁判員にとってはこの”評議”が本番とも言えます。
今回はここまで。
最後に裁判所に入るための入館証画像を掲載しておきます。
これがあると、入館するたびの持ち物検査をスルーすることができる優れモノです。
次回の【裁判員評議編】はこちら↓
裁判員制度で裁判員になった話【裁判員評議編】 – 悠々自適にゆくゆくライフ (yuqyuq.com)
つづく。
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