絶対読んでほしい!名作漫画レビュー その15『バジリスク -甲賀忍法帖-』

今回おススメする漫画は、異能力バトルの元祖ともいえる山田風太郎先生の忍法帖シリーズ一作目『甲賀忍法帖』を、せがわまさき先生がコミカライズした『バジリスク -甲賀忍法帖-』です。

原作となる小説は1959年ですが、今読んでも面白いと思えるレベルで、それが漫画化されているので更に面白くなっています。
特にバトルロワイアルや異能力バトルものが好きな人にはかなりおススメできます!

甲賀10人衆VS伊賀10人衆の手に汗握る忍者バトル。
全5巻で展開も早く毎回驚きと意外性の連続です。十人十色の忍術合戦の様子は、まさに能力は相性だけで全てが決まるわけではないを示す!
それを具現化した本作!現代の異能バトル漫画に通じる部分もあったります。
意外とハンターハンターやジョジョが好きな人は楽しめるかもしれませんね(笑)

1.作品紹介

原作:山田風太郎『甲賀忍法帖』
作画:せがわまさき
出版社:講談社
掲載誌:ヤングマガジンアッパーズ
連載期間:2003年4号 – 2004年13号
巻数:全5巻

2.あらすじ

甲賀卍谷と伊賀鍔隠れに潜む一族は、ともに服部半蔵に率いられる忍者群同士でありながら、源平の昔より数百年、互いに憎悪を抱く不倶戴天の敵同士でもあった。服部の統制下、両門争闘の禁制によりかろうじて和平を保っていた。そのような中、甲賀組の首領甲賀弾正の孫弦之介と伊賀組の頭目お幻の孫娘朧は恋仲にあり、両家の縁組がすめば長きに亘った甲賀と伊賀の確執も解けるかと思われた。
そんな事情を知ってか知らずか、慶長19年4月末、両首領を駿府城に呼び出した徳川家康と半蔵(2代目)が甲賀・伊賀の忍びに与えた使命は実に戦慄すべきものであった。徳川第3代将軍となる後継者選びに悩んでいた家康は、天海の提言を受け入れ、その選定を甲賀対伊賀の忍法争いによって決めることにしたのだ。
方法はそれぞれから10人ずつの「選手」を出し、最後まで生き残った者が託された巻物を再び家康の前に持ち帰ること。後継者は、伊賀が勝てば竹千代、甲賀が勝てば国千代と決まる。甲賀・伊賀とも選ばれた10人は皆、驚くべき肉体や技を持った者ばかり。そして、その中には祝言間近の弦之介と朧の名もあった…
開戦直後、まずは伊賀が先手を取り、伝令の甲賀者を殺して、巻物2巻の片方を焼却し残った唯一巻を独占する。副頭領の天膳が指揮を取り、争いを好まぬ朧にはあえて知らせないままとする。こうして甲賀は開戦そのものを知らぬまま、伊賀者の奇襲を受けることになる。
両陣営が何人もの犠牲者を出した後に、開戦の事実がついに甲賀弦之介の知るところとなる。弦之介は家康と半蔵に開戦を解いた理由を問うべしと宣言し、仲間と駿府へと赴く。伊賀の天膳たちも甲賀一行を追撃する。
簡単に説明すると甲賀10人の忍者と伊賀10人の忍者でバトルロワイアルをして、最後まで残った里により徳川3代目の後継者が決まる、というもの。
史実の上では竹千代(徳川家光)が3代目になるのがわかっているので、”伊賀”が勝利するのはわかりきっていますが、そこにたどり着くまでの道程が意外性に富んでいて楽しむことが出来ます。
伊賀が勝ったのは運の要素が強かったのだよ。。。

下記にネタバレ全開の勝敗結果を記載しておきますのでネタバレ避けたい人は回避してください。

甲賀VS伊賀 勝敗結果
〇が勝利、×が敗北、△が引き分け or 命のやりとりなし
第 0戦:△風待将監  VS △夜叉丸
第 1戦:×甲賀弾正  VS ×お幻 (相討ち)
第 2戦:〇地虫十兵衛 VS ×薬師寺天膳
第 3戦:×風待将監  VS 〇蓑念鬼、小豆蝋斎、蛍火、筑摩小四郎
第 4戦:×地虫十兵衛 VS 〇薬師寺天膳
第 5戦:△鵜殿丈助  VS △朱絹
第 6戦:×鵜殿丈助  VS 〇雨夜陣五郎
第 7戦:△お胡夷   VS △薬師寺天膳、蓑念鬼、小豆蝋斎、蛍火、筑摩小四郎
第 8戦:〇如月左衛門、霞刑部 VS ×夜叉丸
第 9戦:〇お胡夷   VS ×小豆蝋斎
第10戦:△お胡夷   VS △雨夜陣五郎
第11戦:×お胡夷   VS 〇蓑念鬼
第12戦:△如月左衛門、霞刑部 VS △薬師寺天膳、蓑念鬼、蛍火、筑摩小四郎、雨夜陣五郎、朧
第13戦:△甲賀弦之介、如月左衛門、霞刑部 VS △薬師寺天膳、蓑念鬼、蛍火、筑摩小四郎、雨夜陣五郎、朧
第14戦:△甲賀弦之介、陽炎 VS △蓑念鬼、蛍火
第15戦:〇室賀豹馬  VS ×蓑念鬼
第16戦:〇如月左衛門 VS ×蛍火
第17戦:〇霞刑部   VS ×薬師寺天膳
第18戦:〇霞刑部   VS ×雨夜陣五郎
第19戦:×霞刑部   VS 〇薬師寺天膳、朱絹
第20戦:〇甲賀弦之介、室賀豹馬 VS ×薬師寺天膳
第21戦:×室賀豹馬  VS 〇筑摩小四郎
第22戦:〇陽炎、如月左衛門 VS ×筑摩小四郎
第23戦:〇陽炎    VS ×朱絹
第24戦:×如月左衛門 VS 〇薬師寺天膳
第25戦:△陽炎    VS △薬師寺天膳
第26戦:〇甲賀弦之介 VS ×薬師寺天膳
第27戦:×陽炎    VS 〇朧
第28戦:〇朧     VS ×薬師寺天膳
第29戦:×甲賀弦之介 VS ×朧 ★両者相討ちだが、試合としては伊賀の勝利
全30戦!!これが5巻の中に詰まっているのでいかにスピーディーなバトルが展開されているのかわかりますね!

しかし、こうしてみると、うっかり天膳様死にすぎぃ☆そして復活能力強すぎぃ☆
そして序盤から終盤まで活躍する返信忍者の左衛門の活躍が有能すぎるw

ちなみに薬師寺天膳は作中で5回死んでました(笑)

3.登場人物

登場する人物は20人。非常に魅力的な20人です。
その他にもモブは数人いるけど覚える必要なし(笑)
甲賀卍谷衆

甲賀弦之介(こうが げんのすけ
忍術:殺意を帯びて襲いかかった者を自滅させる瞳術。

20人目の死亡者。
本作の主人公にして弾正の孫。朧とは恋人で甲賀と伊賀を繋ぎ合わせる。
主人公らしくチートな術を使い、戦いに出ればほぼ100%勝利の戦績をおさめるつわもの。
途中で目が塞がれて術が使えなくなるもののやはり強い。最後は恋人の朧と戦うが自害して人別帖に伊賀の勝利を記す。
彼が殺人快楽者でなくてホント良かった。おかげで良い物語の〆になりました。

甲賀弾正(こうが だんじょう)
忍術:長い毒針を飛ばす

1人目の死亡者。甲賀卍谷衆頭領。伊賀のお幻とは恋人だったらしいが結ばれず。
最初にお幻と戦い相討ちになる。頭領なんだからしっかりしてください!

風待将監(かざまち しょうげん)
忍術:口から粘着性のある痰は吐いてそれを糸のように操る。

2人目の死亡者。怪人蜘蛛男。
たぶん強いんだろうけど好戦的すぎて油断して蛍火にさされ絶命。
彼の仕事は人別帖を甲賀に届けることなのにその仕事すらはたせず終わった。
衛の星占いにはいささか懐疑的。最期は、蓑念鬼に隙をつかれ致命傷を負ったところを蛍火により討たれる。

鵜殿丈助(うどの じょうすけ)
忍術:体を膨らませて跳ね返したり跳ねたりする。

4人目の死亡者。身軽でお調子者なデブ。
女も口説くが頭も良い。しかし陣五郎の策略に一歩及ばす敗退。

地虫十兵衛(じむし じゅうべえ)
忍術:蛇腹装甲とよく伸びる舌

3人目の死亡者。怪人蛇男。
冷静に物事に対応できるし奇襲の心得もあり天膳を倒せる実力者。
しかし、悲しきかな。異形のものだけに、なぜか生き残れる気がしないと思ったら予感的中。復活した天膳様にあっさり敗れる。

室賀豹馬(むろが ひょうま)
忍術:殺意を帯びて襲いかかった者を自滅させる瞳術。

13人目の死亡者。弦之介に付き従う、冷静沈着な盲目な参謀役。血筋としては彼の叔父にあたり、「瞳術」の師でもある。盲目だが聴力に長けており強い。
無益な殺生は好まない人格者。盲目同士の小太郎との戦いでまさかの敗北。

霞刑部(かすみ ぎょうぶ)
忍術:壁や地面に溶け込み姿を消したり、その中を移動する。

12人目の死亡者。体毛も髪の毛も無い大柄な男。力も強い。
左衛門とのコンビネーションは素晴らしかったが復活天膳に油断して死亡。

如月左衛門(きさらぎ さえもん)
忍術:他人に変身する。

16人目の死亡者。お胡夷の兄。甲賀を一時期優勢にした立役者。
温厚な性格だが任務の前では非情になる。伊賀の忍者に変身して油断させては残忍な戦略で情報は得るわ、伊賀を次々と落としていくわ、蛍火にだって容赦しないわで活躍。
彼が居なければ甲賀はあっさり敗北していたのではないかと思われる。
最期は変身した相手が悪かった。死んだはずの天膳に成りすましたのに、まさか復活した天膳に討たれるとは・・・。

陽炎(かげろう)

忍術:近づいた男を猛毒にする。

17人目の死亡者。女忍者。くノ一。妖艶な美女。そして男に対して無敵な能力。ヤバい。
弦之介を一途に想うが体質のため弦之介とは決して結ばれない。
朧を倒せない弦之介に絶望し毒息を浴びせ心中を計ろうとするが、朧の破幻の瞳で毒を無効化され、彼の腕の中で息を引き取る。まさに自業自得の最期である。

お胡夷(おこい)
忍術:肌と口から相手の血を吸いとる。

8人目の死亡者。左衛門の妹。無邪気な性格でバジリスクには珍しい癒し系。
蓑念鬼により討たれる。もう少し活躍してほしかった。

伊賀鍔隠れ衆
朧(おぼろ)
忍術:あらゆる忍法を強制的に無効化する「破幻の瞳」

19人目の死亡者。お幻の孫で弦之介の恋人。優しく温和な性格。
能力は敵味方問わず全ての忍術を無効化する危険な代物。そして天膳様を倒せる唯一の者。
最終決戦では弦之介に愛を呟き、手に持っていた短刀で自害。その後、弦之介も自害して共に川に流れていった。

お幻(おげん)
忍術:毒針を飛ばす

2人目の死亡者。伊賀鍔隠れ衆頭領。かつて甲賀弾正とは恋仲だった。
弾正の不意打ちを受け首と喉を毒針で刺されるが、その針を抜いて返り討ちにするぐらいの元気はあった模様。

小豆蝋斎(あずき ろうさい)
忍術:手足を自在に伸縮、屈折させることができ、触れるものを刃物のように切り刻む

6人目の死亡者。仙人みたいな老人。甲賀に対する憎しみが強い。
お胡夷の忍術であっという間にやられた。

朱絹(あけぎぬ)
忍術:皮膚から血を出して敵の目をくらませる

15人目の死亡者。女忍者。理知的で仲間想いな性格。小四郎が好きだが、その感情を利用され、陽炎に討たれる。
朧の世話役を務めており、朧からは非常に懐かれている。終盤まで生き残っていたが能力自体は最弱に近い。

蓑念鬼(みの ねんき)
忍術:全身の体毛を伸ばしたり針のように硬化させたりする

9人目の死亡者。全身毛むくじゃらの男。その姿はまるで猿人かタワシである。
能力で自由自在に動かして移動や攻撃などに威力を発揮する。棒術も使う。豹馬を盲目として油断した結果、瞳術の餌食になる。

夜叉丸(やしゃまる)
忍術:女の毛髪をより合わせ、獣油を染み込ませた「黒縄(こくじょう)」を操る

6人目の死亡者。異形や変人が多い伊賀には珍しい若くてイケメンの忍者。蛍火とは恋人同士。
伊賀に調査に来た刑部&左衛門コンビにより討たれる。

蛍火(ほたるび)
忍術:虫を利用した幻術

10人目の死亡者。異形や変人が多い伊賀には珍しい若くて可愛らしい女忍者。
精神的に不安定でメンヘラな部分があり感情的になりやすくヒステリック。それゆえ残虐で行動が予測できない。幻術を得意としている。
常に白い蛇を連れている。夜叉丸とは恋人同士。近づいてきた左衛門の術を見破るが、力及ばず敗れる。左衛門まじぱねぇ。。。

雨夜陣五郎(あまよ じんごろう)
忍術:ナメクジになる

11人目の死亡者。水死体のような風貌の中年の忍者で、伊賀鍔隠れ衆の参謀。ナメクジのように塩に溶けて、体を小さく縮めることが出来、更に水に浸かると元に戻るという特異体質を持つ。
そのため海を極端に怖がっている。弱点が明確で弱い部類の能力だが使い手の頭が回るのでなかなか強く見えた印象。いや、やはり術自体は弱い。
刑部に海の中に投げ込まれ溶けるという悲惨な最期をを遂げた。

薬師寺天膳(やくしじ てんぜん)
忍術:何度殺されても復活できる不死の術

18人目の死亡者。伊賀の副首領。170年以上も生きているはずだが外見は悪い顔の青年。
冷酷・卑劣で自身の策略のためには犠牲をいとわない性格。伊賀の勝利のためには手段を選ばない。はっきりいって善人ではなく情状酌量の余地もない悪人。
剣術の達人らしいが、その能力による慢心から初手では殺害されることが多い。
甲賀者に何度も討たれているがそのたびに復活して驚かせる。そして奇襲をしてどんどん倒していく。天膳様、バトロワな物語で復活は反則です。朧が居なかったら天膳様には勝てなかったと思われる。
ネット界隈では逆要因として扱われることが多く、『うっかり天膳様』と呼ばれたりする。

筑摩小四郎(ちくま こしろう)
忍術:カマイタチ(真空刃)

14人目の死亡者。薬師寺天膳の子飼いの従僕。まだ若く身分も低い。吸息によってカマイタチ(真空刃)を作り出し敵を切り刻む、強力な技を使う。他に2丁の折りたたみ式の鎌を持ち、ブーメランのような投擲武器として扱う。強い。
根は心優しく誠実な性格。朧とは幼いころからの馴染みであり、彼女から深く信頼され、彼自身も彼女のことを「姫様」と呼び愛おしく想っている。
弦之介と戦い、失明してしまう。甲賀の重鎮である豹馬を討つという大金星をあげるが、その後、陽炎と左衛門の策略により討たれる。

4.『バジリスク – 甲賀忍法帖 – 』の評価、感想、レビュー

バトロワものが好きな筆者にとってこの漫画は面白い。その一言。
展開に引き伸ばしはなく目まぐるしいスピードで戦い、能力の相性なども考えられている。
甲賀、伊賀それぞれの忍者に魅力があり死んでしまうと寂しい思いが生まれる。
その分、物語が進むにしたがって登場する人物も少なくなるのはバトロワ系漫画の宿命と言ったところ。
好きなキャラは如月左衛門とうっかり天膳様!
この2人は序盤から活躍して終盤まで生き残るのでなかなか見ごたえがありました。
特に左衛門については彼が居なければ常に劣勢だった甲賀を一時的に3VS2の優勢までもっていけなかったこともありなかなかの活躍っぷりでした。
左衛門は作中でも夜叉丸や天膳に変身したり女の声色を使ったりするので伊賀にとってはかなり強敵だったでしょう。
妹想いなところも筆者的には好感触なキャラクターでした。最期は死んだはずの天膳に倒されるという悲惨な最期を遂げたのは残念でした。

天膳様はいわずもがな。死にすぎです(笑)
死んでからの奇襲で甲賀者を倒す様は面白かった(笑)
伊賀者も天膳なら死んでも大丈夫、と言っていることから伊賀では常に天膳の死体が配置されているのでしょう。
こういう復活能力はバトロワではタブーとされているけれど、つまらなくするところか逆に面白みが増していましたね。
いやー、天膳様は良いキャラしてますよ!
というわけでバジリスクは原作小説を読んだことがなくても楽しめて読みやすいので絵に拒否感が無ければ万人におススメできる漫画です!
アニメ化もされているので興味があれば是非漫画と合わせて観てほしいところです☆

実は『バジリスク』には続編があります!
桜花忍法帖 バジリスク新章(おうかにんぽうちょう バジリスクしんしょう)という名前でバジリスクの10年後であり、弦之介と朧の子供が主人公の漫画なので、バジリスクが面白かったと思った人はこちらの続編も読んでみてくださいねー。

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