さてネタバレあり漫画感想の時間です(笑)
今回は『りびんぐゲーム』で有名な星里もちる先生の『ちゃんと描いてますからっ!』です。
たぶんこの作品自体はアニメ化もしていないしコミックもそこまで売れていないので有名じゃないと思います。
しかし、絵柄がやさしいタッチで全4巻ということで読みやすく、それでいて深いのでおススメできる1冊です!
コメディー漫画が好きな方であればハマるんじゃないかなと。
個人的には星里もちる先生の作品で一番好きです!!
この漫画は
『家族とは何か?』
をテーマにしている漫画なので、そこに注目して読んでもらえると登場人物の気持ちがつかみやすいと思います。
1.『ちゃんと描いてますからっ!』のあらすじ
〆切前になると逃げ出すマンガ家の父に代わり、中学生の歩未は今日も原稿用紙に立ち向かう。
仕事に勉強、そして恋……。これは究極の三択問題だ!? 次こそちゃんと描いてもらいますからっ!
ストーリーとしては、漫画家である父親がネームだけ切って漫画を描かずに逃げ出してしまい、
それをカバーするためにゴースト漫画家として主人公の歩未と妹の空、そしてアシスタントのあかねちゃんが代わりに受験勉強と並行して漫画を作成していく流れになっています。
その際に父親が伝えたいことがほんのりと含まれていたりするのでそれに気が付いた時が楽しかったりします!
そんな生活の中で歩未は堤先輩が好きになったり、あかねちゃんがお父さんに告白したりと恋の行方も楽しめます。
日常コメディー漫画なので敵組織やラスボスなんてものは存在しないのであしからず(笑)
2.登場人物
平原歩未(ひらはらあゆみ)
主人公。中学3年生。父の代わりに漫画を描いている。堤先輩のことが好き。
中学生にして既に苦労人で受験勉強も恋も頑張っちゃう優等生。
平原大地(ひらはらだいち)
歩未の父親。「だびんちゲーム」を連載中。
しかし、〆切前になるといつも逃げ出して歩未に任せっきり。
平原空(ひらはらそら)
歩未の妹。父がいないときは、「だびんちゲーム」のデジタル担当。
藤谷(ふじたに)あかね
大地のアシスタントで、歩未や空のよき相談相手。
平原大地と最終的に結婚する。
堤直希(つつみなおき)
「だびんちゲーム」ファンの、歩未の先輩。陸上部と文芸部を掛け持ちしている。
物語後半で原作を描き、歩未と合作を試みるが・・・。
3.ちゃんと描いてますからっ!の見どころは?
やはり歩未と大地の父娘の関係でしょう。
中学生という微妙な時期に勉強、恋愛だけでも娘は忙しいのに、更に漫画の締め切りを放置してどこかに消えていく父親の存在。
こいつのせいで歩未は父親の漫画を描くことになってしまう毎日。家事もやってるし、よくこの娘グレないな(笑)
とはいえ、父親である大地も全く仕事しないわけでもなく、ネームを切る速さは超一流でしかも面白い。娘に絵を描かせているのに面白い。
固定ファンもついていてサイン会をやろうものなた行列も出来る。
なんだかジャンプでいうところの富〇先生に近いものがあるのかもしれない(笑)
でね、そんなお父さんが歩未は大好きなんですよ~(笑)
それが何となく気がつかせる星里もちる先生の描写テクニックは凄い!
物語が進んでいくうちに歩未は堤先輩と漫画の合作をして、恋をして、一方で大地パパはあかねちゃんに告白され・・・。
歩未と大地の親子関係だけでなく、それをとりまく周囲の関係も少しずつ変化していきます。
そういう変化を乗り越えて、大地の娘に対する想いも明かされていきます。
ホントはこの親父凄い良いひとなんだよ~、伝え方が下手なだけでさ(笑)
ようやく最後に歩未が気が付いた幸せは良かったです。 『ちょっと変わった職業のお父さんが居る普通の家族』 これが全編通して『ちゃんと描いてますからっ』の物語なのです。
というわけで数年前に連載は終了していますが全4巻で読みやすいので気になった人は読んでみてはいかがでしょう。
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