絶対読んでほしい!名作漫画レビュー その18『がっこうぐらし!』

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名作漫画レビュー その18『がっこうぐらし!』

去年、完結した『がっこうぐらし!』という漫画が面白かったので今回のブログネタはこれの感想を書いていきます。
まんがタイムきららフォワードというマイナー誌に掲載されていましたが、一度アニメ化をされていることから知っている方も多いのでは無いでしょうか?
6巻以降の展開はダレてきますが、序盤の展開はかなり面白かったです!

1.作品情報

作品名:がっこうぐらし!
原作者:海法紀光(ニトロプラス)
作画:千葉サドル
出版社:芳文社
巻数:全12巻(完結)

2.あらすじ

突如、ゾンビが出現して生き残った女生徒だけで学校に避難して生活するといったよくあるパニックホラー系……と思いきやたまに日常系にみられるほのぼのとした雰囲気も存在する。
女子の登場人物が圧倒的に多く男子は数名しか登場しないため、ゾンビとの戦闘描写も胡桃がスコップでなぎ倒す程度であまり多くないのも特徴。
当初は学校生活を通して、日々を一生懸命生きるエピソードが多かったが大学編以降は、異なる思想の持ち主たちとの対立や様々な出来事を通して「学園生活部」のメンバーが少しずつ成長していく場面が描かれることが多くなっている。

『がっこうぐらし!』の物語は大きく3つのお話に分けられます。

◆高校編(第1巻 – 第5巻)

ある日、人間が存義に変化して学校の生徒、教員を襲い次々とゾンビ化していった。
そんな中、生き残った丈槍由紀、恵飛須沢胡桃、若狭悠里は佐倉慈を顧問に「学園生活部」を創立し学校内での避難生活を営んでいた。

食料や物品を確保するために由紀の提案した「遠足」ではショッピングモールで生き残っていた直樹美紀と出会う。
美紀は悠里との軋轢を生みながらも由紀の勧めで「学園生活部」に加入する。

既に亡くなっていたことが明かされる佐倉慈や遺品から出てきた「職員用緊急避難マニュアル」の出現によって事態は一変。
真相を確かめるため、校舎地下フィルターに潜入するもののゾンビと化した佐倉慈に嚙まれてしまいゾンビ化の症状がでてしまう。
ゾンビ化しつつある胡桃の処置を迷う悠里だったが、代わりに地下フィルターに行って薬品を持ち帰った美紀の活躍によって胡桃のゾンビ化はおさまる。

由紀の現実と幻の境目がなくなるとき、慈の幻も消えていく。
「学園生活部」はこのパンデミックを解決するために高校を「卒業」して聖イシドロス大学へ「進学」することを決めたのだった。

◆大学編(第6巻 – 第9巻)

卒業旅行と称して大学に向かう一行に鞣河小学校からのSOSが届く。
案の定、小学校はゾンビ化しており、生存者は居ないかと思われた。
しかし、悠里はるーちゃんという少女を助けていた。疲れが見える悠里の前に一行は驚きを隠せないまま大学へと再び向かう。

ようやく、聖イシドロス大学にたどり着いた学園生活部メンバーを襲ったのは武闘派と呼ばれる連中。
そんな中、一行を助けたのは穏健派として自堕落同好会というサークルの会長である出口桐子であった。
高上が感染したことにより深まる穏健派と武闘派の溝。武闘派との戦いが始まってしまう。

一方でゾンビ化が進む胡桃は隆茂を倒したあと学園生活部のメンバーとは距離を置くようになってしまう。
ゾンビ化は空気感染もあり得るという驚愕の事実に唖然としつつも穏健派VS武闘派の戦いは過熱していく。
武闘派のリーダーである貴人はゾンビ化が始まってしまい解毒薬を求めて穏健派を襲うが、解毒薬は存在せず最終的に仲間である朱夏にゾンビの群れに突き落とされ悲惨な最期を遂げた。
その朱夏も単独で大学を脱出するが自動車が故障しゾンビに囲まれるという最期をたどることになってしまった。

武闘派との戦いを終え、るーちゃんが人形だったことに気が付いた悠里はるーちゃんを篠生に預け前に進むことを決意。
結果的にこの事件がより「学園生活部」の結束を固めることになった。
「学園生活部」は椎子を加え解毒薬を求めてランダル・コーポレーションへ向かう。

◆ランダル編(第10巻 – 第12巻)

ゾンビ化の謎を解くために学園生活部はランダル本社に向かう。
椎子の協力により人間をゾンビ化させる細菌「Ω(オメガ)」はランダル研究所から漏れたことが発覚。
更に細菌は巡ヶ丘の土にある菌で過去にも流行があったことをつきとめることに成功する。

人工知能ボーモン君を介してランダル保護機構からの連絡が入り救助が来ることに喜びを覚えるのも束の間、ボーモン君はそれを嘘だと判断する。
ランダル保護機構の狙いは巡ヶ丘の焼却と推測した一行は本社からの逃亡を図るものの椎子が発病しゾンビ化。胡桃は体調が悪化し意識混濁に陥ってしまう。
巡ヶ丘学院の災害用浄化設備の水にゾンビ化を抑えることがわかった一行は桐子のサポートも得て巡ヶ丘学院に向かう。

ランダルの追跡をまき、ついに巡ヶ丘学院に到着した美樹は水を汲みに先行するがゾンビに噛まれ感染する事態に……。
2日後に核ミサイルが落とされる―――それを聞いた美樹は水を持ち帰り、由紀と悠里にミサイルのことを伝えて倒れる。
胡桃と美樹に水を飲ませた悠里はミサイルを止めるため外に出るものの絶望的な状況であることに気が付き戦意喪失してしまう。
悠里を追った由紀はめぐねえと胡桃、太郎丸の幻影に導かれ屋上にたどりつく。
拾った無線機でランダルに水のことを伝え、「ここにいる」と叫び訴え、それがランダルの穏健派に届き一命を取り留めることになった―――。

―――3年後。そこには絶望を乗り越えた元学園生活部のメンバーがぞれぞれの道を歩んでいたのだった。

3.登場人物

・丈槍 由紀(たけや ゆき)

主人公。天真爛漫なムードメーカー。
序盤は慈が居なくなったことによりゾンビが見えない、現状を認識できない状態に陥っていたがだんだんと自分をとりもどし現状を理解する。
高校編までは妄想の中でめぐねえと話したり幼児退行が起きていたが慈の事実を受け入れると同時に前へと歩み始めた。

大学編では胡桃のことに常に気を配り人一倍の優しさを見せる。
ランダル編では一番最後のおいしい場面をもっていきゾンビ化の原因解決に導いている。

・恵飛須沢 胡桃(えびすざわ くるみ)

培われた運動神経でしゃべる片手にゾンビをなぎ倒す痛快元気印少女。
彼女がいなかったら由紀たちは全滅していたことに違いない。
高校編終盤でゾンビになっためぐねえに噛まれて感染。作中でどんどんゾンビ化が進んでいくことになる。

大学編では武闘派との戦いで勝利をしたものの自身のゾンビ化を鑑みて学園生活部から離れようとしていたが由紀の叫びにより自我を取り戻す。
ランダル編に入ってからはどんどん衰弱死活躍の場はなくなっていく。
最期には由紀の妄想にめぐねえや太郎丸と一緒に出てくるなど、どう考えてもフラグが立っていたが最終回でゾンビ化が治り生きのこっていたことが判明する。

・若狭 悠里(わかさ ゆうり)

学園生活部部長でありまとめ役。お姉さんのような優しさを持ち心配性。
高校編ではしっかりものとして皆を先導し、ケミカルライトや防犯ブザーを駆使してゾンビを対処していたが、大学編以降は疲れた描写が目立つようになる。
どのぐらいの疲れ具合かと言おうとクマの人形を妹に似た「るーちゃん」に見立ててしまうほどである。
ランダル編では人一倍、諦めムードが漂っていた。

・直樹 美紀(なおき みき)

学園生活部で一番の常識人。
胡桃に次ぐ運動能力の高さで胡桃の具合が悪い時には率先してシャベル片手にゾンビと戦ったりする。
ショッピングモールで自分だけ生き残ってしまったことを悔いている描写もあったが高校編の最後には吹っ切る。

大学編やランダル編においては活動的な描写が目立っていく。
1対1であればゾンビと対等に渡り合える自信から巡ヶ丘学院のゾンビが巣くう場所から水を汲み取ってくるという活躍を見せた。

・佐倉 慈(さくら めぐみ)

学園生活部顧問。若くて生徒を思いやる優しい教師。
物語が始まった直後からすでに亡くなっており由紀の妄想の人になっていた。なぜか髪型が異なっている。
「緊急避難マニュアル」の事実にショックを受け責任を感じている。
由紀たちを見守っていたが、ゾンビの群れの中に取り残されて噛まれて感染する。
最期は由紀たちを傷つけまいと地下でゾンビ化、変わり果てた姿で学園生活部と対峙することになった。

・太郎丸(たろうまる)

犬。
原作では最初から感染しておりゾンビになってしまった。
テレビアニメ版では最初は感染しておらず登場期間が長い。
ランダル編の最後にちょこっと出番がある。

・るーちゃん

小学校に取り残されて悠里に救われたとされる少女。
その正体は悠里の幻覚でありクマのぬいぐるみ。

・出口 桐子(でぐち とうこ)

「サークル」の代表あり穏健派の一人。
武闘派とも連絡を取り合っている。
ランダル編ではドローンを使って由紀たちのピンチを救った。

・頭護 貴人

武闘派のリーダー。
釘バットを持ち歩き攻撃的で自信が生き残ることを優先する。
最終的に感染し朱夏に裏切られ悲惨な最期を遂げた。

・神持 朱夏

武闘派の一人。
ゾンビだらけの世界を素晴らしい世界と言いきる頭のネジが吹っ飛んでいる女子。
本性を現し貴人を始末した後は車で大学を脱出……したもののエンストを起こしゾンビに囲まれてしまう。
ランダル編の終盤、ゾンビになった姿で悠里の前に立ちはだかる。

・青襲 椎子(あおそい しいこ)

理学部棟でゾンビの研究をする女性。ボーモン君の正体でもある。
ゾンビ現象のなぞ解きを行い、核心に迫ったものの感染してゾンビになってしまう。

4.『がっこうぐらし!』の評価・感想・レビュー

ゾンビパニックホラーものかと思いきや意外に日常生活なエピソードも入っており単純なパニックサバイバルものではなかったです。
登場人物は女子が圧倒的に多く、出てくる女子全員が絵柄のおかげなのか可愛かったりします(笑)

高校編はコンパクトにまとまっており、それぞれのキャラクターの役割を全うしている感じがします。
特にめぐねえが由紀の妄想だと1巻の時点で気が付くのは初見だと難しいですが再度読み返すと確かに悠里達には見えていないような描写になっています。うーん、なかなか巧妙でうまい!

大学編の武闘派との戦いは面白かったけど、この作品でやる必要はないかなという印象。
ランダル編もわざわざ本社まで向かってなぞ解きするよりは高校の地下にヒントがあって、そこからなぞ解きしていくほうが綺麗にまとまったのでは、と思いました。
どうしても読んでいて必須のエピソードではないというか遠回りしている感じになってしまっています。

個人的には高校編で終わっていれば名作漫画。大学編以降は蛇足感が否めませんでした。
アニメ化されているのも高校編までなので、そこまでで終わっていれば良かったんだけどなというのが悔やまれます。

とはいえ、やはりオススメできる漫画であることは変わらず大学編、ランダル編も展開としては面白いです。
現在では続編である『がっこうぐらし! -おたより-』も連載されているのでこの機会に手に取って読んでみると良いと思います!

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