エンジニア人生を振り返ってみる【Q社編|中編】

体験談

ゆゆとりのエンジニア人生を振り返ってみるシリーズ。その7。
今回はQ社編の中編です。

前回の記事はこちら
https://yuqyuq.com/yuqyuq/?p=1832

Q社 社員/年収400~750万円 [SE/リーダー/プロジェクトマネージャ](12年間在籍)

前回の上司からのパワハラも乗り越え、自身の担当システムについては直接社内ユーザとやりとりして要件定義、設計、開発、テスト、リリースと一連の開発の流れと運用保守が出来るようになった私は、自身の裁量でやりたい放題できるいわば”無双モード”に突入していました。
この状態はなかなかに心地よく私も自身で案件を受けてはガンガン開発する生活は楽しんでいました。
この頃になるとエンタープライズチームという社内でも人事や経理といったシステムを担当するようになり、いわば会社のどこにでもある管理部門のシステムなので、業務も覚えることで潰しもきく形になっていました。
社内の人間関係も良く、年収も600万ぐらいまで順調に昇給しており定年まで勤めるか?そんな気持ちになっていたのですがそんな時に事件は起こりました。

“データの不正”です。

社内の稟議を司るいわゆるワークフローシステムがあるのですが、これの承認日付の操作が行われていました。
こういったことは株式上場している会社では致命的に株主や社会の信頼を失います。
これを私の上司をはじめとして数人が主犯でやっていることが判明、私の同僚も上司に言われてデータ改ざんを手伝っていたと……。

このあたりの首切りは早かったですね。
すぐに部門長や法務が動いて不正を働いた者に関しては懲戒免職になっておりました。
そこには当時の私の上司もいましたが、別れの挨拶は無いまま2度と出社することはありませんでした。

その後も新しい部門長が色々な理由をつけて(というより使えない、という理由で)一気にマネージャークラスをスーパーバイザークラスに降格させる事態になりました。
おそらく、増えすぎた情報システム部に対して中間管理職をリストラ、という形の策だったのだと思います。
そして外部から自分の知り合いを新しくマネージャーで雇うという固めっぷりに当時は驚いたものです。
まあ、実際に当時の情報システム部はやる気のある人材も少なく腐っていたので米国本部から粛正、数減らしをされたわけです。

結果、当時のマネージャーのほとんどは退職。マネージャー陣は新部門長が外部から呼んだ知り合いで固められました。
100人ぐらい居た情報システム部は60人程度に削減。この頃は人の入れ替わりが激しかったです。

セキュリティについても大幅に強化されました。
今まではシステムエンジニアも本番環境に触ることが出来ましたが、本番と開発環境で環境ごとに分けられシステムエンジニアは本番環境に触れなくなり、オペレーション専任の方だけが本番に触る、という状態になりました。
まあ、これについてはこの形式が正しくて今まで簡単にデータ構造を把握しているエンジニアが本番環境に触ることができる環境というのがおかしかった、ということになるので正しい形です。
しかし、あの頃は自由に出来たリリースも出来なくなり、仕事のパフォーマンスは大幅に落ちました(笑)
だけどこういうことがあって、私もセキュリティ意識が高くなったので悪くない経験でした。

ただ、当時の外国人上司にはいまいち慣れませんでした。
はっきりいって信頼関係を築くことはできませんでしたね。
バングラデシュ人でしたが、宗教の関係で大事な会議の時に「お祈りの時間」ということで会議の席を抜けていった時にはキレそうになりました。
結局、仕事としてもその外国人上司は使い物にならず、さっさと退職していきました。
この上司で得たのは不条理に耐え忍ことができるメンタルだけです。

そんなこんなでセキュリティが強化され、大幅にメンバーが入れ替わったQ社の情報システム部。
入社当時に私の面倒を見てくれた先輩社員のほとんどが消えました。
気が付けば私も下っ端エンジニアからリーダークラスのエンジニアになっていました。

リーダーになり、コールセンター、人事、経理、法務、放送系のシステムではメインを張ることが多くなりやりがいも感じていましたが同時に一緒に働きたいメンバーが少なくなったことで退職も少しずつ考えるようになっていました。
この頃は日本人社員も少なりほとんど外国人になっていことも影響があったかもしれません。
表向きはダイバーシティということで多国籍受け入れではありましたが、やはり同じ日本人のほうが働きやすい、というのはありますからね(笑)

こうして、リーダーになったゆゆとりさん。
多くの社員をリストラした部門長も気が付けば退職し、新しい部門長は外国人。
その下にはなぜか2人いるディレクター。どうやら将来の部門長になる人物らしい。
それに伴い、改変される組織。入れ替わる人材。
わけのわからない上司に外国人の同僚たち。

Q社での晩年はコロナ禍とともに幕をあけたのでした。

この続きはまた次回。

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