絶対読んでほしい!名作漫画レビューその1『ぼくらの』

漫画

はじめにことわっておきますが私はダークな雰囲気の漫画が大好きです。
暗くて鬱な気分になるような漫画が大好物です。
読了感がスッキリしないけど面白いっていう感じのものが名作だと思っています。
なので、当然、私が面白いと思っても決して万人向けではないかと思いますがそのあたりはご了承ください(笑)

さて、そんな私がおすすめする最初の名作漫画は『ぼくらの』です!

bokurano

『ぼくらの』は、鬼頭莫宏による日本の漫画。

『月刊IKKI』(小学館)において2004年1月号から2009年8月号まで連載され、IKKI COMICS(小学館)にて全11巻で単行本化されている。2007年4月にテレビアニメ化され、2007年5月からは小説版『ぼくらの?alternative?』が全5巻で刊行された。

近未来の日本を舞台に、謎の超技術で作られた巨大ロボットを操り、地球を守る為に戦う少年少女たちが主人公である。物語は1話ごとに1人の子供に焦点を当てた連作形式で構成される。極限状況に直面する子供たちは、自らの人生、家族や社会とのつながり、生命の意味などを問い直してゆく。

2010年、第14回文化庁メディア芸術祭マンガ部門優秀賞を受賞。

DATA
作者:鬼頭莫宏
掲載誌:月刊IKKI
連載:2004年1月号 – 2009年8月号
巻数:全11巻

この漫画は、林間学校に参加した15人の少年少女が突然、”契約”をさせられ、地球が滅びないようにジアースというロボットにのって迫りくる宇宙人(実際は違うのだが)と戦うものです。
・・・いや、違うな。違う。これはロボット漫画ではないです。
正直に書くとこの漫画は鬱展開要素満載の15人の少年少女を中心としたヒューマンハートフルボッコ漫画です。

各話は15人の少年少女のうちの一人に焦点をあてた話になります。
正義感溢れるサッカー少年、自分が一番偉いと思っている少年、貧しい家に生まれ弟や妹のために働く少年、アイドルを目指す少女、レイプされた教師に恨みを持つ少女、妹にDVを繰り返し周囲のことに興味が持てない少年など登場人物それぞれに事情がありそれぞれの思惑をもってストーリーはすすんでいきます。
戦いに自分が負ければ地球滅亡、勝利しても自分自身は死亡。どちらにしてもパイロットに選ばれた少年少女たちに救いはありません。

死ぬことが決まっている少年少女たちが自身が死ぬ前に出来ることは何か?を考えて行動する。
その結果が善であれ悪であれ少年少女たちの行動は正当化されます。だってもうじきその子たちは死んでしまうんだもの・・・それぐらいの許しがなければ彼らはジアースに乗って戦うことはできないでしょう。

そんな中で私が一番好きなキャラクターは「宇白順」くんです!
通称ウシロと呼ばれる彼は序盤から冷たく滅多に仲間とつるむことはありません。
唯一、カンジとは幼馴染ということもあり絡みはあるもののそれも必要最低限。
日常的に繰り返す妹カナへの虐待行為。仲間である少年少女への冷たい態度。どんなことにも興味を持たず我が道を行く彼に私は序盤から興味津々でした(笑)
しかも、戦って死んでいく仲間たちに弔いの言葉もなく、しかも自分はジアースと契約していなかったので死にません、みたいな展開はまさに少年誌の主人公ではありえない展開です。

そんな彼も物語が進むにつれ少しずつ改心していき多少まともになっていきます。
多くは語りませんがジアースからの契約を逃れてきた彼が本作のラストパイロットです。
(正確にはコエムシですが15人の少年少女の中では彼がラストです)

先に逝った14人の少年少女たちが座っていた空席となった椅子をみたときのウシロの想い。
締めくくりにふさわしいラストバトル。
15人の少年少女が織りなす救いの無い人間模様を描いた『ぼくらの』に興味がある方はぜひ読んでみてください!

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